コラム
投稿日:2023.12.15
更新日:2024/01/26

江戸時代の蕎麦屋は七味唐辛子で味付けをしていた?意外な真実とは

江戸時代のお蕎麦屋さんのイメージイラスト

江戸時代の蕎麦屋では、七味唐辛子を使って蕎麦を味付けしていたことをご存知ですか?

その理由は、辛味を楽しむためではなく、殺菌や防腐、食中毒の予防、冬場の体を温める効果があると考えられていたためです。江戸時代の蕎麦は、主に屋台で提供されていたため、衛生状態が良くないことが多く、食中毒のリスクがありました。そのため、唐辛子には殺菌や防腐の効果があると考えられていたことから、蕎麦屋では七味唐辛子が薬味として使われるようになりました。

また、冬場の寒い季節は、体を温める効果があると考えられていた唐辛子が、蕎麦屋の薬味として重宝されました。七味唐辛子が使われるようになったのは、寛永年間(1624~1644年)頃とされています。当時、江戸両国の薬研堀に住む中島徳衛門という人が、七味唐辛子を売り出したのが始まりで、現在では、蕎麦やうどんの定番の薬味として、全国に広まっています。

江戸時代の蕎麦屋で七味唐辛子?

 

江戸時代のそば屋で七味唐辛子が使われていたことは、当時の絵図や文献などから明らかになっています。例えば、江戸時代後期の絵図「江戸名所図会」には、そば屋の店頭で七味唐辛子を売る様子が描かれています。また、江戸時代の文献「守貞漫稿」には、そば屋の定番の薬味として「七味」が挙げられています。

七味唐辛子は、唐辛子、山椒、青のり、麻の実、陳皮、生姜、胡椒の7種類の素材を混ぜ合わせたものです。それぞれの素材には、独特の風味や効果があります。

江戸時代の蕎麦屋で七味唐辛子が使われていた理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目の理由は、殺菌や防腐、食中毒の予防です。江戸時代の蕎麦は、主に屋台で提供されていました。屋台は、衛生状態が良くないことが多く、食中毒のリスクがありました。そのため、唐辛子には殺菌や防腐の効果があると考えられていたことから、蕎麦屋では七味唐辛子が薬味として使われるようになりました。

唐辛子に含まれる辛味成分であるカプサイシンには、殺菌や防腐の効果があるとされています。カプサイシンは、細菌の細胞膜を破壊したり、細菌の増殖を抑制したりする働きがあります。そのため、唐辛子は、食中毒の予防に効果的であると考えられているのです。

2つ目の理由は、冬場の体を温める効果です。江戸時代は冬が寒い季節でした。そのため、冬場の体を温める効果があると考えられていた唐辛子が、蕎麦屋の薬味として重宝されました。

唐辛子には、血行促進や新陳代謝の促進の効果があるとされています。血行が良くなることで、体の芯まで温まります。また、新陳代謝が促進されることで、体内の熱を産生しやすくなります。そのため、唐辛子は、冬場の体を温める効果が期待できるのです。

このように、江戸時代の蕎麦屋で七味唐辛子が使われていたのは、現代とは異なる理由がありました。しかし、七味唐辛子の辛味と風味が、蕎麦の味を引き立てることや、健康に良い効果が期待できることは、当時も現代も同じです。

唐辛子 ⇒殺菌や防腐、食中毒の予防、新陳代謝の促進、脂肪燃焼などの効果

・山椒  ⇒ピリリとした辛味と独特の香り、血行促進、食欲増進、殺菌などの効果

・青のり ⇒爽やかな香りとほのかな辛味、ビタミンやミネラルが豊富

・麻の実 ⇒コリコリとした食感と香ばしさ、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富

・陳皮  ⇒柑橘類の皮を乾燥させたものです。苦味や渋みがあり、独特の風味

消化促進、健胃、解熱などの効果

・生姜  ⇒ピリッとした辛味と独特の香り、血行促進、食欲増進、殺菌などの効果

・胡椒  ⇒ピリッとした辛味と独特の香り、血行促進、消化促進、殺菌などの効果

このように、七味唐辛子には、さまざまな素材が使われており、それぞれの素材には独特の風味や効果があります。そのため、蕎麦やうどんに七味唐辛子を加えることで、風味や味わいがアップするだけでなく、健康にも良い効果が期待できたからです。

 

唐辛子と合う他の調味料

 

江戸時代の唐辛子料理でよく使われていた調味料としては、①味噌②醤油③酢④佐藤⑤ごま、などが挙げられます。これらの調味料は、唐辛子の辛味を調節するだけでなく、料理の味わいを豊かにするためにも使われていました。

具体的な組み合わせとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 味噌:唐辛子と味噌を合わせることで、辛味と旨味を同時に楽しめるようになります。田楽おでんなどの料理によく使われていました。
  • 酢:酢は、唐辛子の辛味を爽やかに感じさせます。冷やし中華冷奴などの料理によく使われていました。
  • 砂糖:砂糖は、唐辛子の辛味をマイルドにします。辛子明太子唐辛子味噌などの料理によく使われていました。
  • ごま:ごまは、唐辛子の辛味を和らげる効果があります。麻婆豆腐担々麺などの料理によく使われていました。
  • 醤油:醤油は、唐辛子の辛味を中和する効果があります。天ぷら焼き鳥などの料理によく使われていました。

江戸時代の唐辛子料理では、これらの調味料を組み合わせることで、辛味と旨味のバランスが良く、食欲をそそる料理が作られていました。江戸時代の唐辛子料理は、地域の食文化に反映されながら現代も受け継がれています。

 

辛さで体温を上げ、新陳代謝を促進!辛いものは長生きする?

 

辛さの成分には、唐辛子に含まれるカプサイシンや、わさびに含まれる成分などがあります。カプサイシンには、アドレナリンの分泌を活発にする働きがあり、血流を良くします。また、唐辛子にはカプサイシン以外にもβカロテンやビタミンEなどの成分が含まれており、下記の項目に効果があるといえます。

体温が上がる

発汗作用で毒素を排出する

新陳代謝が活発になる

血行が促進される

老廃物の排出が促進される

疲労回復効果がある

食欲を回復させる効果がある

体脂肪を燃焼する効果がある

抗菌作用がある

以上の点から唐辛子を含めた辛い物は長生きするといわれております。また、これまでに、中国、アメリカ、韓国など、世界各国で行われた研究で、辛い食べ物の摂取と死亡リスクの低下との関連が報告されています。具体的には、辛い食べ物に含まれるカプサイシンという成分には、血流を促進する作用があり、血栓の形成を抑制することで、心臓病や脳卒中のリスクを低下させる効果が期待されています。また、カプサイシンには抗酸化作用もあり、細胞の損傷を防ぐことで、がんや老化の予防につながると考えられています。さらに、カプサイシンには免疫力を高める作用もあり、風邪などの感染症の予防にも効果的です。ただし、辛いものを摂りすぎると、胃腸の炎症や潰瘍などのリスクが高まることも考えられます。そのため、辛いものを食べる際は、ほどほどにすることが大切です。

また、辛いもの好きの人は、他の食生活や生活習慣も健康的であることが重要です。喫煙や飲酒、運動不足などの生活習慣病のリスクを高める要因を避けることも、長寿につながります。

辛い料理を食べる前に、乳製品(ヨーグルト、牛乳、チーズなど)を摂取すると辛さを和らげることができ、乳製品に含まれるたんぱく質の一種「カゼイン」が、脂溶性のカプサイシンを溶かし、舌に辛さを感じさせるのを和らげますので是非試してくださいね♪

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店長:豊田勝之

自称キムチ研究家の豊田です。辛いもの・韓国料理・韓国珍味が大好きで、全国のお客様に喜んでいただける商品を日々試行錯誤しながら作っています。
まだまだ納得いくものはできていないと思っていますので、引き続き頑張ってまいります!

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